演奏の立ち方に気づくとき
演奏するとき、ふと自分の立ち方に気づいたことはありますか?
両足をきっちりそろえて立っているときもあれば、自然に片足が少し前に出ているときもある。どちらが「正しい」ということではなく、どんな違いを生むのかに気づくことが大切です。
拳一つ分だけ足をひらくだけで、呼吸が通りやすくなったり、体が安定したりすることがあります。片足をわずかに前に置くと、次の一歩を踏み出しやすい感覚に気づくかもしれません。演奏は流れ続けるものだから、この“動き出せる立ち方”に気づくことが、音楽に余白をもたらします。
頭が繊細に動き続けるとき、体全体がついてくる
演奏中、動いているのは指や腕だけではありません。
頭が繊細に動き続けると、その流れに背骨や腕や呼吸までもが自然とついてきます。そんな瞬間に気づいたとき、音はずっと自由に響き始めます。
逆に、立ち方や座り方が固まって頭が止まると、音もどこか窮屈になります。どれだけ練習しても「動ける余白」に気づいていなければ、体も音楽も固まってしまうのです。
座るときの気づき
椅子に座って演奏するときも同じです。
背もたれに預けて止めるのではなく、足の裏を床に感じたり、坐骨で軽やかに支えていたりするときの変化に気づいてみてください。腰や肩が固まらず、呼吸や腕の動きが広がっていくことに気づくかもしれません。
練習と本番、その境目に気づく
「これは練習だから気楽に」「これは本番だから緊張する」――そう分けてしまうことが多いけれど、立ち方や頭の繊細な動きに気づいていると、その境目は薄れていきます。
練習を単なる練習にせず、つねに本番として練習する。
そうすると本番もまた「いつもの練習」として演奏できる。結局はどちらも同じ自分であり、同じ体で音楽に参加しているのだと気づいていきます。
音楽もまた、動き続けている
気づいてみれば、音楽そのものも止まることなく流れ続けています。
頭が繊細に動き続けることと、音楽が流れ続けることは、まるで同じリズムに響き合っているようです。
演奏するとき、自分にやさしく問いかけてみてください。
「いま頭はどんなふうに繊細に動き続けているだろう?」
その問いかけが、音楽の流れとひとつに溶け合うための入口になります。
小さなワーク:立ち方と頭の動きを試す
- 両足をぴったりそろえて立ってみましょう。
どんな感じがしますか? - 拳一つ分だけ足をひらいてみましょう。
どんな違いに気づきますか? - 片足をほんの少し前に出してみましょう。
体はどう変わるでしょう? - そのまま、頭が繊細に動き続けることに思っててみてください。
それはどんなことに気づくでしょう?
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